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#012 The Lady, or the Tiger? / Frank Richard Stockton女か虎か / F・R・ストックトン The Lady, or the Tiger? 女か虎か The Transferred Ghost 幽霊の移転 The Spectral Mortgage Our Archery Club That Same Old Coon His Wife s Deceased Sister Our Story Mr.Tolman On the Training of Parents Our Fire-Screen A Piece of Red Calico Every Man His Own Letter-Writer 「女か虎か」を含む短篇集である。 F.R.Stockton はそれなりに多作家のようなのだが、「女か虎か」があまりにも有名なために他の作品はあまり知られていないのではないか。この項目についてのクイーンの定員の解説は「この作品の中には探偵はいない。しかし作品の外には無数の探偵がいる」というもの。これは明らかに短編「女か虎か」についての言及であって短篇集『女か虎か』についての言及ではないだろう。 表題作は1882年に発表されたリドル・ストーリー。リドル・ストーリーを語るなら避けて通れないこの短編。"ストックトン 女か虎か"で検索すればあらすじもしくは全文が読めるサイトがいくつか見つかるのだが...。意外なことに、本で読もうとするとなかなか見つからない。知っている限りでは早川書房の『37の短編』、講談社文庫の『世界ショートショート傑作選 2』、紀田順一郎編『謎の物語』に収録があるが、いずれも絶版です。私は『謎の物語』で読みました。このアンソロジーは広義のリドルストーリーを集めたもので、個人的にお勧めです。 「女か虎か」には「三日月刀の促進士」という続編がある。また、ジャック・モフィットの「女と虎と」は「女か虎か」の解決編の中で非常に優れているという評判のある話である。しかしどちらも雑誌のバックナンバーにあたらなければ読めないようだ。探せばWEB上であらすじを紹介しているサイトを見つけれるだろう。ところで『謎の物語』の解説によるとストックトンは「女か虎か」の続編を2つ書いているらしいのだが、もう1つが何か不明。 2 は岡本綺堂編世界怪談名作集(下)に収録。河出文庫版が新本で入手可能。岡本綺堂訳ということは訳者の死後も50年以上経過しているわけで、この名作集は青空文庫でも読むことができる。講談社青い鳥文庫のアンソロジー『幽霊のひっこし』の表題作も同じである。正直、アンソロジーに何度かとられるほどに面白いとは思わないのだが。 この2作以外については不明。Gutenbergにも入っていないようだ。 QQ011 ← QQリスト → QQ013 名前 メールアドレス 内容
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#023 Paul Beck, The Rule of Thumb Detective / Matthais McDonnell Bodkin経験型探偵ポール・ベック / M・マクダネル・ボドキン The Vanishing Diamonds / 消えたダイヤモンド The Miniature Halter By a Hair s Breadth Murder by Proxy / 代理殺人 Greased Lightning The Dog and the Doctor Under His Own Hand The Poisoner The Slip Knot The Slump in Silver Cabinet Secrets The Two Kings マクダネル・ボドキンはアイルランドの政治家として紹介されている。 探偵小説史における彼の重要な役割は、初めて探偵一家を創作したこと、とされている。クイーンの解説にもあるのだが、彼は探偵ポール・ベックを別の創造した女探偵ドーラ・マールと結婚させ、その後に彼らの子供Young Beckの登場する物語を書いているのだ。だがそれだけ。それがどんな物語であったのかはほとんど紹介されることがない。「クイーンの定員」の記事の中でもそのぐらいしか書かれていないのだ。こいつが「定員」に入っているのは、家族で探偵をした最初の人たち、だからか...? 1は『シャーロック・ホームズのライヴァルたち 1』に収録有り。だが、収録作で探偵はジャギンズ氏となっている。実はこちらがオリジナルで、後にボドキンが主役をベックに変えてリライトしたということらしい。光文社文庫版『クイーンの定員 1』には4が収録されている。これ以外に読むことは難しそうだ。1はなかなか凝った構成で面白い。4は今見るとありきたりというか、トリックの新鮮味に欠ける。古い作品だからしょうがないか。xxxxがあった時点で気づくよね。しかしベックが犯人を問い詰めるところはなかなか迫力があるし、結末を踏まえて読むとベックの行動がことごとく犯人の思惑をつぶしている様子が面白い。この2つしか邦訳はなさそう... なお、ポール・ベック(一家)の全集が125C$で入手可能なようです。ちょっと惹かれる... QQ022 ← QQリスト → QQ024 名前 メールアドレス 内容
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#014 The Man-Hunter / Dick Donovan追跡 / ディック・ドノヴァン The Saltmarket Murder Case The Lady in the Sealskin Cloak The Robbery of the Duchess of B- s Jewels The Tuft of Red Hair The Pearl Necklace A Strange Corpse The Gentleman Smasher A Strange Story The Devil s Dozen A River Mystery The Mysterious Disappearance of Helen Atkinson The Skeleton in the Cupboard How I Snared the Coiners The Record of a Strange Adventure Dick Donovan は1960年頃に活躍したメジャーリーグの投手である。右投左打。57年にホワイトソックスでア・リーグ最高勝率、61年にはセネタースでア・リーグ最優秀防御率のタイトルを獲得している。しかしもちろん「クイーンの定員」とは何の関係もない。 ここでの Dick Donovan は本名 Joyse Emmerson Preston Muddock という作家である。彼はDick Donovan名義でDick Donovanを主人公とした作品を数多く発表したようだ。 当時はディック・ドノヴァンというのがまだそれなりに有名だったということなのだろう。しかし現在ではそんなん知るかという状態であり、検索してもMLBの投手の方がヒットする確率が高い。「ディック・ドノヴァンものの歴史的重要性のみが認められる」と言われると、まぁ探す気にもなれない。 英語版でよければ、オンデマンドのペーパー・バックがAmazonで売られている。 私は遠慮しておく。 QQ013 ← QQリスト → QQ015 名前 メールアドレス 内容
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#021 An African Millionaire / Grant Allenアフリカの百万長者 / グラント・アレン The Episode of the Mexican Seer / メキシコの預言者 The Episode of the Diamond Links / ダイヤのカフスボタン The Episode of the Old Master The Episode of the Tyrolean Castle The Episode of the Drawn Game The Episode of the German Professor The Episode of the Arrest of the Colonel The Episode of the Seldon Gold-Mine The Episode of the Japanned Dispatch-Box The Episode of the Game of Poker The Episode of the Bertillon Method The Episode of the Old Bailey 悪徳弁護士の次は職業怪盗のクレイ大佐の登場。これは最初の怪盗小説と言ってよいのではないか。1896年6月にストランド誌(まただよ)に登場したクレイ大佐は有名なアルセーヌ・ルパンより9年早く、イギリスのラッフルズよりも2年早い。怪盗、というよりも詐欺師、ですけどね。 物語はアフリカの百万長者チャールズ・ヴァンドリフト卿の秘書であり義弟でもある「私」を語り手に、変装の名人にして稀代の詐欺師クレイ大佐を追跡する、という構成。しかし語り手側が主人公ではないところがミソ。実際ヴァンドリフト卿はあまり好感を覚える人物ではないし、その点は語り手である「私」も同様。語り手がイヤな奴で語り手がやられるのを楽しむ、当時としてはちょっと珍しい小説ではなかったろうか。 1 は早川文庫『シャーロック・ホームズのライヴァルたち 1』で読める。さらに 2 が創元推理文庫『完全犯罪大百科 上』と光文社文庫『クイーンの定員 1』に収録されている。でもこれ、どれも現時点では絶版。gutenbergに原文が一冊まるごと収録されていて、私はこれを地道に訳しながら読んでいるところ。1,2,3,4の邦訳を公開しているサイトと、3,4,5,6,7の翻訳を販売しているサイトがあります。 グラント・アレンは英版Wikipediaで最初にscience writerと紹介されるように、科学関係の著作がかなりあるようです。SF作家でもあり、"The British Barbarian"というタイム・トラベルものを1895年に書いています。1895と言えばウェルズの「タイムマシン」が出版されたのと同じ年です。これ以外に、因習にとらわれない自立した女性を描いて物議をかもした"The Woman Who Did"という作品の作者と しても知られています。 QQ020 ← QQリスト → QQ022 名前 メールアドレス 内容
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QQ/ BEMANI Sound Team "PHQUASE ZAQUVA" 「 KONAMI Arcade Championship(2023) 」予選ラウンドB 本機種以外のBEMANIシリーズは下記の通り jubeat beyond the Ave. Lv CHAIN 譜面属性 BPM TIME Version Genre Illustrator Effect NOVICE 07 0953 199 EGKAC(2023) BEMANISDVXオリジナル 伊予昆布 direQt effeQtors ADVANCED 14 1301 organiQ effeQtors EXHAUST 17 1874 dramatiQ effeQtors MAXIMUM 19 2514 perfeQt effeQtors + 難易度投票 NOVICE 選択肢 投票数 投票 詐称 0 強 0 中 0 弱 0 逆詐称 0 ADVANCED 選択肢 投票数 投票 詐称 0 強 0 中 0 弱 0 逆詐称 0 EXHAUST 選択肢 投票数 投票 詐称 0 強 0 中 0 弱 1 逆詐称 0 MAXIMUM 選択肢 投票数 投票 詐称 0 強 0 中 0 弱 1 逆詐称 0 攻略・解説 譜面・楽曲の攻略についてはこちらへどうぞ 見辛さ解消の為に改行や文頭の編集、不適切なコメントを削除することがあります 名前 コメント ※文頭に[ bgcolor(#aaf){NOV}]、[ bgcolor(#ffa){ADV}]、[ bgcolor(#faa){EXH}]、[ bgcolor(#888){MXM}]をコピー ペーストすると見やすくなります コメント 楽曲やイラストなどのコメントについてはこちらへどうぞ 名前 コメント すべてのコメントを見る
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#006 Out of His Head / Thomas Bailey Aldrich (1862) 狂乱 / トーマス・ベイリー・オルドリッチ Dr.Pendegrast By the Seashore The Estrangement A Catastrophe The Flight Tired to Death An Arrival Dark Days Agnes The Red Domino The Danseuse 舞姫 A Mystery 事件 Thou Art the Man 汝こそその人なり Paul s Confession ポールの告白 A Long Journey Out of His Head Burning a Witch Two Hundred Years Old Paul Lynde s Sketch Book Pere Antoine s Date Palm A Word for the Town Miss Hepzibah s Lover The Lady with the BalMoral The Cup and The Lip オルドリッチは日本ではほとんど知られていません。国内のサイトで検索する限りにおいては、上記の『狂乱』、あるいはその抜粋である「舞姫」がクイーンの定員に入っている、という事実ぐらいしかわかりません。 Out of His Head はオルドリッチの短編集として紹介されているのですが、中編1つと5つの短編が入っています。この中編の11章から14章までが一つのミステリになっており、この部分だけを抜粋して「舞姫」として訳されています。(11章の章タイトルも「舞姫」ですが、11-14章全体も「舞姫」と呼びます。)上記目次では数字の付いている部分が中編のCHAPTER番号です。後ろの5つの短編には Paul Lynde s Sketch Book というタイトルがつけられています。本の副題が A Romance. [Also Paul Lynde s Sketch Book] となっているので、中編のタイトルが "A Romance"なんだろうか?中編、短編ともポール・リンドなる人物が語り手になっており、オルドリッチはEditorということになっています。 原文はここで読めるのですが、詳細を確認してはいません。いずれにしてもミステリ史として重要なのは「舞姫」の部分だけ、なのでしょう。 「舞姫」は 光文社文庫版『クイーンの定員 I』に収録されていますが、これ以外では把握している限りでは EQ 1983.1月号に掲載されただけです。 「舞姫」はクイーンによって密室の変形として評価されているのですが、実は Charles Martel の "Hanged by the Neck A Confession" が原型であるという指摘もあります。(Grost氏のA Guide to Classic Mystery and Detection による)この話は見たことがありません。(この人物のことを調べようとすると、フランク王国でウマイヤ朝を撃退したカール・マルテル(同姓同名の人物)に阻まれます。T^T)Waters(QQ002)のような刑事の回想録の一つに収録されているようですが。 「この時代にこんなものがあったんだ」という意味での興味はあるのですし、決して橋にも棒にもかからないというレベルのものではないのですが、入手困難なものを無理してまで...という感じです。私は光文社文庫版『クイーンの定員』で読みました。 オルドリッチは上記『狂乱』ではなく、1870年発行の半自叙伝 "The Story of a Bad Boy" の作者として知られています。トム・ソーヤーやハックルベリー・フィンにつながる、アメリカ少年物語の嚆矢です。あとは "Marjorie Daw" なる短編も結構有名です。これは謎とオチがある書簡体の短い小説で、ミステリに分類できるような気もします。が、邦訳はないのでわざわざ読むのもなぁ... QQ005 ← QQリスト → QQ007 名前 メールアドレス 内容
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#013 My Adventure in the Flying Scotsman / Eden Philpottsフライング・スコッツマンの冒険 / イーデン・フィルポッツ イーデン・フィルポッツは日本では「赤毛のレドメイン家」で有名な推理作家である。 実際には著作が250以上あって、そのうち50作程度がミステリ、ということなので、当時の評としてはミステリ作家という枠には入っていなかったのではないか。wikipedia を見ても novelist であり、Dartmoor を舞台にした小説や詩が多いと紹介され、最後の方に "He also wrote a number of mystery novels" と付け加えられる程度である。 しかし日本では圧倒的にミステリ作家としての評価の方が高いだろう。江戸川乱歩が「赤毛のレドメイン家」をベスト1の推理小説に選んでいたからだろうか。「闇からの声」も含め、名前は聞いたことがあるという人も多いのではないだろう。(ヴァン・ダインが選んだリストにも入っているので、欧米で特に評価が低いというわけでもないのとは思うが。)他にハリントン・ヘクスト名義でもいくつか推理小説を出している。 さて、それらの作品の発表年を見ると、 1923「赤毛のレドメイン家」、「テンプラー家の惨劇」(ヘクスト名義) 1924「誰が駒鳥を殺したか?」、「怪物」(ともにヘクスト名義) 1925「闇からの声」 となっていて、いわゆる黄金期に集中していることがわかる。 ところがここでリストアップされているのは1888年のデビュー作、「フライング・スコッツマンの冒険」である。 フライング・スコッツマンはロンドン-エディンバラ間を結ぶ長距離鉄道の愛称である。1862年の開通時には10時間半、1888年には7時間半程度で走破した(ちなみに現在は4時間半)らしい。きかんしゃトーマスに LNER 4472 という番号の入った炭水車が出てくるが、これがフライング・スコッツマンである。まぁ1888年当時はこの番号ではなかったようですがね。 この鉄道をPRする小冊子に掲載されたフィルポッツの中篇がクイーンの定員No.13にリストアップされているのだが...。レア中のレア。こんなん普通手に入らないでしょう。クイーンのコレクターとしての性格がこの本をここに入れたとしか思えん。ただ一応 "Q" はついているのですよね。読んでみたいのですが...。 光文社文庫版解説には、88年も経ってから(1976年)アメリカで500部限定出版されたとの記載があります。これは古書で入手可能(但し出版社の表記が異なるので限定版と別の形態があるのかも)です。また、 Mysterious Railway Stories という 1984年のアンソロジーにも入っていたりします。これも既に絶版です。 日本語訳はもっと珍しく、加瀬義雄さんの発行する「ROM」という雑誌に掲載されたことがある、という情報しかありません。これのバックナンバーは既に品切れです。 というわけで、未読です。 QQ012 ← QQリスト → QQ014 名前 メールアドレス 内容
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#011 New Arabian Night / Robert Louis Stevenson新アラビア夜話 / ロバート・ルイス・スティーブンソン The Suicide Club 自殺クラブ Story of the Young Man with the Cream Tarts クリーム・パイを持った若い男の話 Story of the Physician and the Saratoga Trank 医者とサラトーガ・トランクの話 The Adventure of the Hansom Cab 二輪馬車の冒険 The Rajah s Diamond ラージャーのダイヤモンド Story of the Bandbox 紙箱の話 Story of the Young Man in Holy Orders 若き聖職者の話 Story of the House with the Green Blinds 緑のブラインドがある家の話 The Adventure of Prince Florizel and a Detective フロリゼル王子と探偵の冒険 『宝島』や『ジキル博士とハイド氏』で有名なスティーブンソンの短編集。1882年に出版された The New Arabian Night は2巻本であるが、上記では1巻の内容のみを記載した。というのは、1巻と2巻はまったく別物だから。1巻の内容は1878年から "Later-Day Arabian Night" の題で雑誌に連載されたもので、基本的にはボヘミアの王子フロリゼルの冒険譚となっている。ミステリ、ではない。だがこれは読む価値はあると思うぞ。特に前半の自殺クラブ。 時は19世紀末、場所はロンドン。ボヘミアの王子フロリゼルは街で出会った青年から「自殺クラブ」の存在を教えられる。この世に、そして人生に飽いた人々が自分の生命をもてあそぶ場所。王子が乗り込んだ自殺クラブでは、毎夜一人の会員が死を迎えていた... 光文社文庫版『クイーンの定員』には自殺クラブの1だけが載っているのだが、この後会長の逆襲もあるのでぜひ続きを読んでみよう。 2007年9月6日、光文社古典新訳文庫から『 新アラビア夜話』の名で新約で刊行されました。 (以下は 2007/7/28 記述分) とは言え...ないんだよね、本が。英米での評価はそれなりに高いと思うし、実際日本でも何度も翻訳されているのだが、現行本がない。 福武文庫か 講談社文庫の古本を探すのが一番でしょう。角川文庫版を探すのは難しいと思います。岩波文庫版の『新アラビア夜話』は「自殺クラブ」の2と「ラージャーのダイヤモンド」の1,2を翻訳しているのだが、なぜこんな中途半端な収録?ゆにま書房から オンデマンド出版で出ているのだが、収録作がわからない。まぁ多分「自殺倶楽部」3作は入っているだろうけど。でも高い... (ここまで) 一方、2巻の内容は 連載"Later-Day Arabian Night" とは全く別に雑誌に掲載された、独立した4つの話である。1巻は各話の最後のパラグラフでアラビア人の語り手の存在が示唆されているのだが、2巻にはそのような話の繋がりを示唆する記述もない。 以下、「定員」とは関係がないと思うが参考までに。2巻に収録されているのは次の4つ。 The Pavillion on the Links 臨海楼綺譚 A Lodging for the Night その夜の宿 The Sire De Maletroits Door マレトロアの殿の扉 Providence and the Guitar ベルトリーニ氏のギタラ この4作は『臨海楼綺譚』のタイトルで角川文庫から出ていたが、絶版。現役の本で入手可能なのは2が国書刊行会 『書物の王国 芸術家』に収録あり。それから3が海苑社 『愛と皮肉の名作物語』に収録。あとは絶版しか見つからない。1940~60年代の本ばかり... 1については英語の対訳本が何度か出ているようだが、2006年出版のものも現時点で既に入手不可能。オンライン上に「砂丘の冒険」というタイトルで翻訳している(進行中)方がいるので、これに期待した方がよさそうです。 QQ010 ← QQリスト →QQ012 名前 メールアドレス 内容
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#005 The Experiences of a Lady Detective / Anonymous (1861) ある婦人刑事の経験 / 匿名 出版年の1861が正しければ、おそらく世界初の女性探偵モノである。探偵の名はパスカル夫人。しかしクイーンですら読んでいないものをいったいどうしろというのか。ググっても「そういう本があった」という事実しか見つからん。謎のパスカル夫人である。 QQ004 ← QQリスト → QQ006 名前 メールアドレス 内容
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#003 The Queen of Hearts / W.Wilkie Collins (1859)ハートの女王 / ウィルキー・コリンズ Ourselves Our Dilemma Our Young Lady Our Grand Project Brother Owen s Story of the Black Cottage 黒い小屋 Brother Griffith s Story of the Family Secret 家族の秘密 Brother Morgan s Story of the Dream-Woman 夢の女 Brother Griffith s Story of the Mad Monkton Brother Morgan s Story of the Dead Hand 死人の手 Brother Griffith s Story of the Biter Bit 人を呪わば/探偵志願/手柄をあせって Brother Owen s Story of the Parson s Scruple Brother Griffith s Story of a Plot in Private Life Brother Morgan s Story of Fauntreloy Brother Owen s Story of Anne Rodway The Night The Morning 最近は見かけませんが、ちょっと前なら書店の創元推理文庫の棚に一際目立つ分厚い本がありました。それがコリンズの 『月長石』ですが、それより前に出したこの短編集がQQの#003に入っています。コリンズはかなりたくさんの作品を書いているはずですが、短編の邦訳はそんなにはありません。この中でミステリとして評価されているのは 10 です。「人を呪わば」のタイトルで光文社文庫版『クイーンの定員』にもこれが収録されています。これだけ読むなら乱歩編の 『世界短編傑作集 1』にも収録されています。(これならもちろん、新本で買えます。)あとは岩波文庫のコリンズの短編集( 『夢の女・恐怖のベッド―他六篇』)にも「探偵志願」のタイトルで収録されています。 10 はある刑事見習と上司の往復書簡によって展開する盗難事件を題材にしたミステリです。謎と手がかりと解決がある、しっかりとした形のユーモアミステリ。コリンズの芸達者ぶりがわかります。現代の基準で見ても面白いと思います。 原題の The Biter Bit は一般に「ミイラ取りがミイラになる」と訳される諺。『クイーンの定員』と『世界短編傑作集 1』ではこれをそのまま「人を呪わば」と訳したのでしょうが...なんか違う気がします。 原題は、探偵役が騙されている状況、そして最後の「ヤトマン夫人の方を選ぶ」という言葉をちょっとひねったタイトルだと思います。一方邦題で「人を呪わば」と言われると、そこにはある種の悪意の存在を意識するように思います。でもそんな話じゃないんですよね。むしろマヌケの話。噛み付こうと思ったら、噛まれちゃってた、という。しかも実は見当違いの相手に噛み付こうとしていたことが(本人以外には)わかる。原題はこのマヌケで皮肉な状況をストレートに表現せず、それでいて読んだらわかるようなタイトルをつけた。と思います。これを邦題にするのは難しい。例えば「騙された探偵」なんて題だったら、読むほうに先入観を与えかねない。かと言って「人を呪わば」「ミイラ取りが」のような形では、諺のニュアンスが違う。というわけで岩波文庫版で中島賢二氏が「探偵志願」と訳したのは、この方がいいんじゃないかなぁと思ったりします。但し訳文自体は『世界短編傑作集 1』の方を取ります。私なら。 他の作品を読もうとすると、岩波文庫版『夢の女/恐怖のベッド-他六編』に5,6,7,10 が入っています。溪水社の短編小説集なら 5,6,7,9 が読めますが、3150円の四六版です。この2つは現役です。 短編集『ハートの女王』の構成等については岩波文庫 『夢の女・恐怖のベッド―他六篇』の解説に詳しく書いてあります。上記の目次からもわかるように、これはOwen,Griffith,Morganの3人がそれぞれ話を披露する、という形を取っています。(ちょうどデカメロンやカンタベリー物語などのように。)「ハートの女王」はこの物語を聞く女性のことで、3人はある事情によってハートの女王を10日間館に引き止めるために物語を続けている、という設定です。アラビアンナイトですな。後の短編集やアンソロジーに収録されるときには前後の事情をばっさりカットしますから、例えば 10 は単に"The Biter Bit"として収録されています。(原作では "THE SIXTH DAY" で始まるプロローグが前に付き、前置きが終わった後で Brother Griffith s story of the Biter Bit とはじまります。あ、原文はもちろん Gutenberg で読めます。) QQ002 ← QQリスト → QQ004 名前 メールアドレス 内容